1.「ハーブパンを食って部屋に入るんじゃ。」
和馬が中に入ると、薄暗い中に人影がいる。
「月乃、いるんじゃろ?」
「よく私のパンだとわかりましたね。」
「そりゃ、そうじゃ。月乃のパンは体にやさしいパンじゃろ。誰にでも安心して食べさせられる
パンはハーブパンだけじゃ。」
「ええ、そうですわ。正解ですね。」
月乃がにっこりと微笑んで近づいてくる。
レースが散りばめられた薄手の白いドレスを着た月乃が和馬の前に現れた。
「ところでクリスマスプレゼントは月乃がくれるのか?」
「えっ?えぇ、そうなるんでしょうね……。クリスマスのおもてなしをしなさいとお爺様から
言われていますから。」
「だったら、預かっているんじゃろ?じいちゃんから。」
「そうですね。預かっていますよ。」
「じゃ、早速もらおうかの。」
和馬はさっと月乃に向かって手を差し出す。
その手を月乃は両手で包み込むとぺろりと舌で舐めあげた。
「うふふ。」
「うわ、なんじゃ。」
すると、顔を上げた月乃はとても嬉しそうに優しい笑みを浮かべていた。
「東さんありがとうございます。私は正直、不安だったんですよ。東さんが私のパンを選ばない
のではないのでは?私が妄想してしまったように雪乃か水乃の作ったパンに行ってしまうんじゃ
ないかしらって。」
「馬鹿じゃなぁ。もっと俺を信じてくれよ。」
「そうですね。頼もしい東さんを見て私も決心がつきました。」
「そうじゃろ?で、決心てなんなん……んっ、んん。」
月乃は和馬の首に手を回すと不意にキスをした。かすかに触れるだけの軽いキス。
思わず和馬は後ろに後さる。
「まずは私のファーストキス、プレゼントです。」
「月乃、俺びっくりしたぞ。」
「あっ、あのですね。この位で驚かれたのではこれから困るのですが。」
真っ赤になり、どもりながら月乃が答える。
「なぁ、もしかして月乃のじいちゃんプレゼントって。これなのか?」
「はいそのようですね。」
「困るじゃろ。いきなりそんな事したら。」
キッと、月乃は和馬を睨むと、意を決したように告白する。
「こ、困りませんわ。わ……私は……東さんが……好……き……ですのよ。もし、東さんが私の事を嫌いと言っても
私は東さんが好きです。東さんは私の事がお嫌いなのでしょうか?」
一気に言い放って、恥ずかしさの余り下を向いてしまう。
だが、和馬は下を向いている月乃にしどろもどろに声をかけた。
「俺……も……月乃は好き……じゃ。」
「うっ、ぐすっ。」
目からぽろぽろ涙を流し、何もいえない月乃。
「お、おい。何とか言ってくれ。」
「ずっと言えない言葉でしたの……。和馬さんは鈍感ですから……。でも、そんな和馬さんが初めて。」
月乃は初めて和馬から自分の事を好きと言われて、東さんではなく和馬さんと呼んだ。
今度は和馬の方からキスをした。
ぎこちないキスでカチンと歯と歯がぶつかった。
「すまん。俺こういうこと上手くないんじゃ。」
「パンを作る事以外不器用な和馬さんが好きですわ。」
互いにかすかに笑う。それと同時に月乃はへなへなとその場にへたり込む。
今まで気丈に振舞っていたが月乃も足が振るえ心臓は高鳴り、鈍感な和馬をリードしなくてはという
気持ちが少ない勇気を奮い立たせていたのだ。
お爺様が何故このような事をしたのか未だに理解できないままであったが、好きな和馬への告白のきっかけを
作ってくれたことに少なからず感謝もしていた。
「月乃、好きじゃぞ。」
ガチガチに緊張した和馬は震える手で月乃の胸の上に手を置く。
「そんなに緊張しないで下さいね。そうですわ。あのパンを食べませんか。ハーブには気持ちを落ち着ける
効果もあるんですよ。クリスマスイブにハーブパンじゃ物足りないでしょうけど。」
「そんな事はねぇ、月乃の作ったこのパンすっげぇ、うめぇぞ。」
「そうですか。ありがとうございます。」
ほのかな香味のあるハーブパンを二人で半分ずつ食べあう。
月乃の焼いたそのパンは柔らかく、愛情に満ち溢れたパンの味だった。
二人でパンを食べあい、先ほどあれほど緊張していた二人だったが少し余裕が出て来た。
和馬に体を密着させ、互いに体温を感じあう。
月乃の胸の柔らかさ、ほんのりとした髪の香り、透き通るような奇麗な瞳、ピンク色の唇。
全て和馬が持ち合わしていないものだった。
そしてゆっくりと月乃は白いドレスと下着を和馬は私服を脱いでいく。
二人は全裸のまま互いに体を重ね、柔らかなベッドにその身を委ねた。
「……あっ、和馬さん。手の温もりが伝わってきますね。」
「凄く柔らかいんじゃな。月乃の胸。それにここも柔らかいぞ。」
「あ、ああっ、気持ちいいです。その触り方……凄い……あんっっ……ですわ。」
乳首を触られると、先が固くなりピンと膨張する。
胸を揉まれると、耳や頬にピンク色の赤みが差し、充分に感じているのが分かる。
「あっ、そこは。きゃっ……あん。」
その愛撫は徐々に下に移動していき、やがて月乃の恥丘の肉ヒダを丹念に愛撫していく。
「あふっ、褒めていただいて……きゃっ、んん、光栄です……んっ。」
「ここからすっげぇ溢れてくるんじゃな。」
「そ、それは、はぁっ、はああん、和馬さんがふぁあ、好きだから……です……わ。」
《ぴちゃっ》
「きゃっ!んぁあん。和馬さぁあああんそれ、だめぇ。」
和馬がヒダの割れ目に沿って溢れた愛液を舐め上げた。
突然の大胆な和馬の行動に普段出さないような大きな歓喜の悲鳴をあげ、足先と乳首、指先に
痺れが伝わる。
《ちゅっ、ちゅぱっ、ちゅちゅっ、ぴちゅっ》
「ひやぁ、だっ…だめっ、だめですわ。いやぁ……ひゃあああん、あっ、ああっ、はあぁああん。」
「はっ、んっ、月乃は感じやすいんじゃな。」
《びちゃ、くちゅ、くっっちゅ》
次から次へと出てくる露に、月乃のデルタは既に唾液と交じり合い、ぐちゅぐちゅと洪水状態になっている
「はぁっ、和……馬さん、もう…あの……そろそろ……。」
「んあっ、俺もそろそろ……大丈夫……じゃ。」
和馬はゆっくりと大きく膨張した下半身の部分を月乃の膣口付近にあてがう。
「あっ……そ、そこは……違いますわ。もうちょっと下です……ね。」
「んっ。この辺か?」
《メリッ》
「痛っ!」
「大丈夫か?月乃!?」
まだ挿入に慣れていない膣内は非常に狭く、充分に濡れている状態でも痛みを伴うものだった。
「き……つ……いですね。でも、和馬さんと一つになれたんですね。」
「お、おう。そうじゃ……中(膣内)……すっげぇ気持ちえぇ。」
「動いても……はぁっ、いいんです……んんっ……のよ。」
「しばし……我慢じゃぞ。」
「はい。」
和馬と月乃は今一度キスをする。今度は舌と舌を絡めあう深い大人のキス。
互いの意思を確認するかのように、何度も何度も舌先を互いの口内に往復させる。
「あ!あぁっ!!んっ。」
「ぐっ、ふっ、ふぁっ。つ、月乃、大丈夫か。」
「んんっあん、あんっっうん……う、動いて……いいです……から。」
《ぐちゅ、ずちゅっ、くちゅ》
「あぐっ、んっ、はんっ、はふっ、あぁっ。」
最初は痛がって我慢をしている声を出していた月乃が、次第に感じているように甘い吐息が混じり始める。
「んふっ、嫌っ、和馬さん、あんっ、んっあっ、あっ、あぁっ、とけて……ああっっ。」
「月乃、俺もう……。」
「はぁっ、はあぁっ和馬さん、はぁっ、ん、好きです……わ。」
《ドクンッ……ビクッ……ドクッ》
《くうぅ、あぁっ、あぁああああああ〜〜!!》
「和馬さんのが中(膣内)に……あぁっ……月乃は幸せですわ……。」
「東君にはパンタジアだけではなく、梓川家を盛り立ててもらいたい。」
「はぁ、どういうことじゃ?」
「東君の才能を見込んで、我が梓川家に迎えたいのだよ。」
「言っている事がよくわからんのじゃけど。」
「私の孫娘の月乃と結婚を前提に正式に付き合ってはくれんかね。」
「お爺様、まだ私たちには早いですわ。私まだ学生ですのよ。」
月乃は赤くなって手をブンブンと振る。
「そうですわ。お爺様。まだ二人は若い大器。二人を育てるのに私も努力を惜しみませんわ。」
《てめぇら二人に梓川家とパンタジアを任せるわけねぇだろうがよぉぉぉぉ》
「断るぞ。」
「お断りしますわ。」
「あら、随分冷たいのねぇ。」
《くっそぅ、後でぶっ殺す。》
「その、結婚なんて……まだ……恥ずかしいですわ。」
「そうじゃ、もうちょっとまってくれんかの。……ジャぱんをつくるまでそんな事考えられんし……。」
「ふぉっふぉっふぉ。さすがは東くん。孫娘より、パンの方が大事か?」
「東さん!ひど……いいえ、それでこそ私が愛した東さんですわ。」
このクリスマスを境に月乃と和馬の距離は大分近づいた。
だが、ジャぱんへの道のりはまだまだ遠い。
二人でジャぱんを作れる日は果たして来るのであろうか?
おしまい
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